超強烈な現代アフロジャズ!MABUTA(まぶた)の凄まじい音楽

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南アフリカの現代ジャズシーンの最先端、MABUTA

南アフリカのジャズシーンが熱い。

アフリカン・ピアノをアップデートするカイル・シェパード(Kyle Shepherd)、南アフリカ人として初の名門ブルーノート・レコーズからのデビューが決まったンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)、透き通る歌声と個性的なピアノ演奏で人気のタンディ・ントゥリ(Thandi Ntuli)、自由な即興表現を信条とする歌手/トロンボーン奏者シヤ・マクゼニ(Siya Makuzeni)などなど、話題に事欠かない。

その中でも近年注目を浴びるのが、このMABUTAというバンドだ。“まぶた”というバンド名は日本語から取られているが、メンバーに日本人はいない。バンドの首謀者はヨハネスブルグ出身のベーシスト、シェーン・クーパー(Shane Cooper)。カイル・シェパード・トリオ(Kyle Shepherd trio)のベーシストとして知られ、“Card On Spokes”名義では実験的な電子音楽を追求する一面も見せる。

MABUTAはシェーン・クーパーのベースを中心に、ピアノ(キーボード)、ドラムス、サックス、トランペットというクインテット編成。2018年作『Welcome to This World』は、たった5人のバンド編成ながらラージアンサンブルをも思わせるダイナミックなサウンドで世界の度肝を抜いた。

『Welcome to This World』では、楽曲によってユニークなゲスト──UKジャズシーンで特異な存在感を見せるバリトンサックス奏者のシャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)、南アフリカ出身で世界を股にかけるサックス奏者バディ・ウェルズ(Buddy Wells)、同じく南アフリカのジャズバンド、エインシェント・エージェンツ(Ancient Agents)で活躍するギタリスト、レザ・コータ(Reza Khota)──を迎え、アフリカ的な旋律が強烈な独自のジャズサウンドを展開する。

シングルカットされた(5)「Log out Shut Down」のスタジオライヴ映像。

『Welcome to This World』のリミックス集も超おすすめ

その後2019年にリリースした同作のリミックス集『Welcome To This World Remixes』は、世界でも類稀なユニークなDJ文化を擁する南アフリカらしい斬新なリミックス音源だ。

シェーン・クーパーの別名義Card On Spokesによるリミックス(4)「Welcome to This World」をはじめ、Slugabed、Daedelusなど気鋭のプロデューサーによるMABUTA音源の究極的な再構築が楽しめる。

MABUTAは、南アフリカのジャズの境界線を拡張する力だ。
インターネットの発展とともに世界中の音楽家たちが互いに呼応し、刺激し合いながら新しい音楽を生み出してる昨今、ジャズにおいてもグローバル化と同時にローカライズが進行し、各地で次々に興味深い音楽が作り出されている。
南アフリカのジャズシーンからも目が離せない。

(1)「Welcome to This World」のスタジオセッション。
シェーン・クーパーによる(2)「Bameko Love Song」のソロベース演奏。
パーカッシヴなベース演奏が最高に気持ちいい。

MABUTA :
Shane Cooper – bass, composition
Bokani Dyer – keyboards
Sisonke Xonti – tenor sax
Robin Fassie – trumpet
Marlon Witbooi – drums

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